短時間で作れる!型紙10選

Rick Rack には195種類もの型紙があります。(2025年7月現在)
あまりにたくさんあるが故、忘れ去られている型紙も数知れず。
それらを再発掘して型紙の魅力を再度みなさまへお伝えしてするコーナーが
「おすすめ!型紙10選」です。
Rick Rack 代表である御苑(みその)目線で
デザインポイント、作り方のコツ、制作アドバイスなどを
深堀していきます。
今週は「短時間で作れる!型紙10選」です。
その1.2wayブラウス
発売からまだ日が浅いのでこちらの型紙はみなさんの記憶にも
残っているであろう、そうであって欲しい、そんな気持ちも込めまして
一番目に持ってきました。
え、みそのさん、お洋服ですよ?
これが短時間で作れるんですか?
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ソーイング歴が浅いひとが勘違いしやすいことの一つに
「小物なら簡単、短時間で作れるはず」
というのがあります。
これは勘違いなんです。
例えばこちら。
こちらは通帳ケースです。
大きさはだいたい縦20cm×横15cm
A4用紙よりも小さいです。
でもこれがですね。
中を開くとこんな感じ。
ファスナー、仕切り、バイアステープ。。。
細かい作業のオンパレードです。。。
パーツ数も多いし、小物だからこそ、
正確な裁断が求められる。
難易度という言い方はしたくありませんが
これを作るには相当の時間が掛かります。
多分、わたしでも1日では作れないと思います。
(途中で飽きてしまうことも含めて)
完成したときの達成感は半端ないと思いますので
じっくり、ゆっくり取り組みたい方にはもちろんおススメいたします!が
今日のお題は「短時間で作れる!」です。
短時間で作れることの条件に
わたしは裁断が少ないというのが必須になると思っているのですが、
その点、この2Wayブラウスは身頃とお袖だけと至ってシンプル。
お洋服でありながら、衿とか、ポケットなどのパーツも一切必要ありません。
慣れているひとなら裁断も30分で終わるでしょう。
縫い合わせる場所も肩と袖、身頃切り替えと脇下。
袖ぐり、裾を始末するミシンはありますし、衿ぐりの始末もあるけれど
他のアイテムに比べたら限りなく簡単です。
それでいて本格的なおとな服。
着こなしも幅広く楽しめるシンプルデザインで
年代も関係なく着られるブラウスです。
素材を変えたら秋~にも十分使える長袖は
色違いで数枚作ってローテーションしても。
透け感のある軽い生地なので
長袖でもすっきり着られると思います。
2mカットで1,700円程度とかなりお買い得価格になっていますので
最初の1枚目のお試しにこの生地を使うのもいいと思います。
お洗濯してもすぐ乾くので
汗をかく季節でも気兼ねなく使えるのもポイント。
ちなみにこの生地も制作の前には必ず地直し作業をしてくださいね。
詳しい地直し方法についてはこちらを参考に。
その2.レジバッグ
短時間で作れる型紙といえばこちら!
レジバッグです。
大・小2サイズがセットになっているので
お好みに合わせて作れます。
サンプルはロックミシンの縫い目をポイントにしていますが
家庭用ミシンで三つ折り仕上げにもできますので
ご安心くださいね。
ちょっとしたお買い物にももちろん便利ですが
わたしは編みかけの作品をまとめるプロジェクトバッグとしても
よく使っています。
薄い生地で作れば軽くて持ち運びにも重宝します。
あとは旅行の時などに小物をまとめるバッグとしても便利ですね。
コットンやリネンで作れば汚れてもじゃんじゃんお洗濯できるので安心です。
レジバッグを制作するのに、わざわざ新しく生地を用意しなくても
いいかなとわたしは思います。
お手元に使っていない生地やはぎれがあれば
それらを有効活用するのがいいです。
最初の1枚は薄手のコットンやリネンで作ると
やりやすいと思います。
1枚作ってみて仕組みがわかったら
ウールなど厚みがある生地で作ってみてください。
また違った風合いになって可愛いですよ。
その3.サコッシュ&ポーチ
この作品も裁断が少なくてカーブもなくて
短時間で制作可能です。
もしかしたらタグをまっすぐ縫い付けることが
いちばん集中して時間がかかる部分かもしれません。
布用ボンドなどで仮止めしてから
ミシンをかけると曲がらず、きれいに付けられるので
やってみてください。
(タグは好みなので面倒なら省略もできます!)
こちらも2つがセットになっている型紙です。
大きさもデザインもちょっと違うので
お好きなほうを作ってみてください。
作品作りにはファスナーやテープ、金具など細かい副資材が必要になるのですが
それら全部揃えたセットも併せてご用意しています。
これがあれば迷わず、すぐ制作可能です。
これはとても縫いやすいし防水になっているので
間違いなくおすすめです。
ヒッコリーでつくってもかわいくなりそうですね。
とはいえ、小さな作品ですし、しっかり目の生地なら
だいたい問題ないのでわざわざ購入しなくても
お手元にはぎれがあればそれを有効活用するのもいいかなと思います。
その4.フレンチブラウス
猛暑は9月も続くという予報ですので
それならこれくらいのお袖のブラウスもおすすめです。
これもね、すごく簡単に短時間でできます。
Tシャツみたいに毎日さっと着られるのも
いいですよね。
それでいてちゃんとしてる感じがあるから
オフィス用にも使えます。
1枚作ったらもう一枚、もう一枚と作りたくなる型紙です。
仕上げのコツはブラウジングのゴム。
これをゆったり目に入れるほうがすっきり見えます。
よほど細身の人以外は絶対ゆったりにしたほうがいいです。
それがこの作品作りの最大ポイントです。
ふんわりウエストで止まって、シャツをインしているように見えるから
お腹周りがすっきりするのと、ボトムスとのバランスが良くなる(足長効果)のと
2つの効果が期待できますよ。
このデザインには薄手のコットン、リネンがおすすめ。
コットンならグランジウォッシュ。
リネンを選ぶなら86リネン(ハチロクリネン)がおすすめです。
どちらの生地も1.5m程度あれば制作できるので
ぜひ作ってみてください。
こんなプリント柄も新鮮です。
いずれも2mカットしかもう残りがないのですが(ごめんなさい!)
はぎれが出たらレジバッグにしてもいいし、
お揃いのハンカチを作っても可愛いかなと思います。
その5.パジャマパンツ
隠れたベストセラーといえばこちら。
パジャマパンツです。
わたしももう何枚制作したかわからないくらい作っている型紙で
Rick Rack でも季節問わずたくさんご注文をいただいています。
ウエストはゴムだかららくちんだし
好きな生地で好きなパジャマを作るのが何より楽しい。
ソーイング手始めの作品にもいいですよね。
もし失敗してしまってもパジャマパンツですものね。
おうちの中だけなら問題ありませんもの。
と思っていたのですが。
なんとうちのスタッフの中にはこれを
ペチパンツに利用しているひとがいました。
なんの型紙使っているの?
と聞かなければわかりませんでした。
ひざ下だけが見えるペチパンツなら
ウエストゴムのこのパンツでも十分ですね。
パジャマパンツには肌触りが良い生地がいいと思います。
ダブルガーゼならそれはもうぴったりです。
ペチパンツ風にするならこちらもおすすめ。
ストライプだとすらっと縦ラインが強調されて
足長効果が期待できます。
このパンツにはパジャマらしいアレンジがいろいろありますが
それはお好みで選んでくださいね。
丸ポケット
角ポケット
裾切り替えあり
裾切り替えなし
その6.トライアングルバッグ
こちらのバッグも短時間で作れる作品です。
大サイズは肩紐を結んで斜め掛けにする形で
小さいほうは肩掛けバッグになっています。
こちらも2つのデザインが作れるお得なセット販売になっています。
こちらの型紙もベストセラーのひとつです。
作品の発売がずいぶん前で、サンプルもかなり古いものなので
イメージが湧きにくいのですが
形自体は流行に関係なくシンプルなので今も売れ続けているのだと
思います。
わたしは小サイズを何年も愛用していましたが
この形はとても便利でした。
上に向かっておむすびのように三角になっていて
肩になじむのでなで肩のわたしでもストレスがなかったのも良かったし
こぶりな割にけっこうものがたくさん入るのも良かったです。
この作品は裏地付きになっているので
表地、裏地 2種類の生地を用意する必要があります。
裏地は薄手の生地でも構いませんが
表生地は比較的しっかりと厚みがあり張りのあるものだと
形が安定してきれいなバッグになります。
インテリアクロスのようなものもいいと思いますし
冬ならウール生地もぴったりです。
パイピングバッグのサンプルに使われているこんなアニマル柄で作っても
可愛いかなと思います。
原稿を書いていたら
秋冬に向けて新しいバッグを作ってみたくなりました。
サンプルのバッグは先ほどご紹介したレジバッグの型紙を使用していますが
トライアングルバッグもこんな感じのイメージになりそうです。
あとこれはひとつ参考にしてほしいのですが
バッグの中の生地は明るい色を選んだほうが中身がわかりやすいです。
黒や紺、茶よりも赤とか黄色とか。
バッグは作りやすさも大切ですが
使いやすさも重要です。
黒や紺より赤や黄色、ベージュなど明るめの色を選んでみてください。
その7.ボートネックTシャツ
7番目にニット生地で作る作品をご紹介することにしました。
こちらのデザインも発売から20年くらいは経過していると思いますが
今も定期的に売れ続けている定番デザインです。
イメージはセントジェームスのボートネックです。
その当時すごく流行りましたよね。
ニット生地専用の型紙なので
ニット生地以外では制作できません。
そこをまずは注意してくださいね。
ロックミシンがあればより短時間で制作できますが
家庭用ミシンでもニット用のミシン針、ニット用のミシン糸を使用すれば
制作することができます。
この型紙はメンズ、キッズサイズの展開もあるので
家族お揃いが叶います。
こんな風に色違いを組み合わせて
スパイシーボートネックにするのも手作りっぽくて
楽しいですね。
子どもたちが小さい頃、こんな感じで色違いのお揃いで
スパイシーTシャツをたくさん作っていたなぁと
懐かしく思い出しました。
ボートネックTシャツにおすすめは
やっぱり定番の天竺ボーダーです。
新しくご紹介しているこちらのボーダーも大人っぽい色です。
ホワイトデニムと合わせて爽やかに着こなしてみてください。
ちなみに番外編になりますが
Rick Rack にはもうひとつボートネックTシャツの型紙がありまして
それがこちら。
こちらは全体的にゆったりとしていて着丈が短く
肩がドロップしています。
袖付けのラインが全然違うのが比較するとよくわかると思います。
こちらも同じく短時間で作れるので2つの詳細を比べて
お好みを選んでみてください。
その8.スモックブラウス
ベルスリーブと半袖、2つのお袖を選択できるスモックブラウス。
これも短時間制作の代表選手です。
手が慣れているひとなら30分もあれば
作れるくらい簡単です。
衿部分にはゴムを入れてギャザーを寄せるデザインになっていて
ゴムの長さ調整によって首元の印象が大きく変わります。
お好みにもよりますが、あまりぎゅーと絞るよりも
少しゆったり目にしたほうがデコルテがきれいに見えるので
最初は少しゴムを長くしていて、あとから調整して仕上げると
失敗がありません。
こちらもキッズサイズがあるので
親子お揃いを楽しむことができます。
このデザインにおすすめするのは
薄手~中くらいのリネンやコットンです。
定番のグランジウォッシュなら間違いありません。
サンプルは無地で作っていますが
プリント柄やストライプなども合うと思います。
その9.バケツポシェット
動画を見ながら作るシリーズのバケツポシェット。
形の良いバッグに仕上げるために
接着芯を貼る作業があったり
ハトメを打ち付ける場所を強化する作業があったり
縫い始めるまでに多少手間は掛かるのですが
そこをクリアしてしまえば難しいことはありません。
ハトメの打ち付けを一度覚えたら他にもいろいろ応用が利くので
やったことのない人は練習を兼ねて制作してみるのも
楽しいかもしれません。
肩紐が細すぎると肩に食い込むので
ある程度の太さがある紐をチョイスしてくださいね。
紐を結んで浴衣に合わせても可愛いです。
こちらの型紙も大と小がセットになっています。
小ははぎれで十分作れるので
お手持ちの生地を活用して作ってみてください。
その10.イージークロップドパンツ
これも発売からずいぶんと長く経過していますが
ベストセラーのひとつです。
先ほどご紹介したパジャマパンツよりも
全体的に細いシルエットです。
(パジャマパンツは寝間着なのでかなりゆったり)
見えないウエスト部分はゴム仕様に仕上げています。
ずり落ち防止にウエストひもも入れる仕様になっていますが、
これはお好みで省略可能です。
はき心地を重視し裾から見える足のラインが
すっきり細くまっすぐに見えるよう
シルエットをとことん追求しています。
特に足首まわりがよりほっそり見えるよう
パンツ丈のカットラインの太さを絶妙に調整しています。
ワンピースとの重ね着を前提として、
このパンツはポケットも省略しています。
そうすることでつくり方はとても簡単、
初心者さんでも短時間で制作可能となっています。
この形もわたしは気に入っていてたくさん作りましたが
最近はこの長め丈アレンジが特にお気に入りで
毎回この長さで制作しています。
(裾部分を平行に長くしただけの簡単アレンジです)
ペチパンツを合わせるだけで
去年のワンピースが少し新鮮に着こなせるので
色違いで何枚か作りましたが
夏場はやはり白が大活躍です。
普段は透けるから避けている薄い白地も
ペチパンツには最適。
このデザインに今回わたしがおすすめするのはこちら。
お安くなっていますけど実はこの生地とても上質でいいものです。
ちょっとリネンが入っていて薄いから透け感もありますけど
ペチパンツには最適です。
基本はクロップド丈ですがこんなアレンジでも使えて
何より短時間で作れるので
ちょこっと時間が空いた時にぜひ作ってみてください。
本日お届けした簡単10選はいかがでしたか?
手作り作品を販売しているけれど制作時間が掛かり過ぎて。。。
という問題を抱えている方からなにかアドバイスを。。。というメールをいただき、
それならば短時間で制作できる作品を作ってはいかがでしょうと
お返事したことがきっかけで今回の型紙10選をお送りすることになりました。
裁断も縫製もパーツが少なければ短時間でできることは確かなのですが
それを抜きにしても、同じ作品を複数同時進行で制作する場合のコツというのは
たくさんあります。
裁断を重ねてやる、アイロンやミシンをまとめて掛けるなど。
それらは作品によって様々なので一概には言えませんが
すべてに共通して言えることは
「作り方手順をしっかり頭に叩き込みこと」と
「それを先回りして想像力を働かせ、無駄な動きを省くこと」
これだけでかなり時短になります。
わたしはよく「制作前には必ずテキストに目を通してね。」と
伝えるのですがこれが非常に重要です。
そうしたら、あ~このパーツはここで使うのね、
この合印はこのためにあったのね、
これとこれを縫い合わせるのね、など
点と点だったものが一本につながっていくと思います。
みなさんも作品作りの前にはなにはともあれ、
まずテキストを熟読してみてください。
次回は「秋に作りたい!長袖の型紙10選」をお届け予定です。
どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。
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